2013年3月1日金曜日

教育再生提言 いじめの抑止につなげたい


 安倍首相直属の教育再生実行会議が、いじめ対策の法制化や体罰禁止の徹底などを求める第1次提言をまとめた。

 政府は提言を踏まえ、自治体や学校における体制整備や実効性のある対策の実現に取り組んでもらいたい。

 注目したいのは、いじめの発見や調査を行う第三者組織の設置を提案した点だ。

 大津市の中学生が一昨年秋に自殺した事件では、学校がいじめの兆候をキャッチしながら適切な指導をせず、教育委員会による自殺の原因調査もなおざりだった。

 学校や教委が機能しないケースが多いことを考えれば、自治体単位で弁護士や臨床心理士らで構成する第三者組織を設け、子供や保護者から相談を受け付けるのは有効だろう。外部の視点で解決策を探ることが期待できる。

 学校にスクールカウンセラーの配置を進め、子供の異変に気付く体制を整えるべきだとする指摘も妥当である。

 提言は、加害生徒に対する出席停止措置の活用や、警察との連携の必要性も強調している。

 いじめへの対応では、まず、教師による加害生徒への粘り強い指導が必要だ。だが、あらゆる手立てを尽くしてもいじめがやまなければ、被害生徒を守るために毅然きぜんとした対応をとるのは当然だ。

 特に、暴力や金品のたかりなど法律に抵触する行為が確認された場合には、警察への通報をためらってはなるまい。普段から学校と警察が信頼関係を構築していくことが重要である。

 提言には、道徳を教科に格上げすることも盛り込まれた。道徳の教科化は、第1次安倍内閣時の教育再生会議が2007年に提案したが、成績評価の対象になじまないなどの理由で見送られた。

 現在は正規の教科となっていないため、教科書はない。効果的な指導法がわからないといった声も現場の教師から出ている。

 教科化を通じて、教材の開発や指導法の研究を重ね、道徳教育の充実を図るべきだ。道徳の授業で相手の気持ちを思いやる人間性を育むことは、いじめの未然防止に役立つだろう。

 一方、体罰根絶に向けた対策として、提言は部活動の指導指針を作成するよう国に求めている。

 子供への暴力を厳しい指導の一環と誤解してきた指導者は少なくない。体罰の定義と行為を具体的に示し、いかなる場合でも暴力は許されないとの意識を教育現場に浸透させていく必要がある。

時事問題

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