2014年5月29日木曜日

子育て新制度 保育士の処遇改善になお課題

 子育て世帯のニーズに応じた良質な保育サービスの拡充が、少子化対策には欠かせない。2015年度に始まる「子ども・子育て支援新制度」で着実に実施してもらいたい。

 新制度で保育所などが受け取る「公定価格」の政府案が公表された。保育サービスの種類別に定められている。公定価格から利用者負担分を差し引いた額が、政府や自治体から施設に給付される。

 政府案の特徴は、職員給与を引き上げたり、職員配置を増やしたりした施設に対する給付を手厚くした点だ。保育の「質の改善」に踏み出したことは評価できる。

 改善策を実施すれば、平均的な規模の保育所や幼稚園では、収入が現行より1割程度増えると試算されている。各施設の積極的な取り組みを期待したい。

 ただ、質の改善は、まだ十分とは言えない。政府は新制度に消費税の10%への増税分から年間7000億円を投入する方針だが、待機児童解消へ向けて保育定員の拡大などを優先する。質の改善に振り向ける財源は限られている。

 職員の給与や配置について、一層の改善も検討されたものの、財源不足で見送られた。職員研修の充実などの施策も縮小された。

 保育士不足を解消し、保育の質と量を向上させるには、さらなる処遇改善が欠かせない。政府は、社会保障予算にメリハリをつけるなど財源確保に努めるべきだ。

 新制度は、保育所と幼稚園を一体化した「認定こども園」の普及を目指している。保育と教育に加え、地域の子育て支援も担う施設だ。公定価格も、多様な役割に応じた職員配置の費用を賄えるよう設定したという。

 だが、私立幼稚園などがこども園に移行するかどうかは、各施設の判断によるため、不透明だ。

 保育所の場合、親が共働きでなくなれば、子どもは転園を余儀なくされる。こども園なら、親の就労状況にかかわらず利用できる。子育て世帯の実情に合うだろう。政府は、移行を希望する施設への支援を強化する必要がある。

 新制度では、地域のニーズに応じた保育サービスの体制整備が市町村に義務づけられた。小規模保育なども対象事業となり、きめ細かな対応が可能になる。

 公定価格案が提示されたことで、必要な費用の算段がつく。市町村は適切な整備計画を早急に策定し、準備を本格化させねばならない。多様なサービスの内容や利用法を住民に分かりやすく伝える努力も求められる。

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