2016年7月18日月曜日

まず日欧EPAとTPPに集中せよ

 英国の欧州連合(EU)からの離脱が決まり、日本は通商政策の優先順位を再確認すべきだ。

  まず政府はEUとの経済連携協定(EPA)の年内合意へ政治主導で交渉を急ぐときだ。同時に、国会は日米など12カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)の協定案を早く承認してほしい。

 日本政府とEUは首席交渉官による会合を近く開く。9月には次回交渉会合を予定している。

 焦点の農産品や自動車などの関税削減・撤廃をめぐり、双方はできるだけ主張の間合いを狭めてほしい。閣僚らによる政治決断をしやすい環境づくりに全力を挙げる必要がある。

 EU加盟国のなかで英国は日本とのEPAにもっとも積極的な国のひとつだった。英国のメイ新首相も、英国がEU加盟国にとどまるまでの間は日・EU交渉の早期合意を後押ししてほしい。

 英国がEUから離脱しても、EUが巨大な経済圏である事実は変わらない。EPAができれば、日本企業の欧州でのビジネス環境が大きく改善する。たとえば自動車の国際標準づくりなど日欧が連携できる分野も広がる。

 来年はドイツやフランスなどで国政選挙が控える。日・EU交渉が来年までずれ込むと、合意が見通せないまま長いあいだ漂流するおそれさえある。そうした事態は何としても避けてほしい。

 TPPは日・EU交渉にも影響している。EU側は一部の農産品でTPPを上回る関税削減や撤廃を求めているからだ。一方でTPPには米大統領候補が反対を表明している。しかし、12カ国の交渉をやり直すのは非現実的だ。

 TPP再交渉の余地がない点を示すためにも、日本は率先してTPP協定案を速やかに承認すべきだ。それを通じ米議会にTPP協定案の早期審議を促しつつ、日・EUの交渉も加速する。そんな二正面作戦が求められている。

 フロマン米通商代表部(USTR)代表は、EUから離脱後の英国が米欧の貿易投資協定やTPPに参加する選択肢に言及した。

 日本政府内では英国と2国間の経済協定を検討する意見も出ているが、英国とEUの交渉すら始まっていない段階では時期尚早だ。日本政府はまずEUとの交渉に集中しなくてはいけない。

時事問題

注目の投稿

もんじゅ廃炉のコスト監視を

 廃炉が決まっている高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、運転主体の日本原子力研究開発機構が計画をまとめ、原子力規制委員会に申請した。  2018年度に核燃料の取り出しを始め、47年度まで30年かけて撤去する。費用は3750億円の見込みで、通常の原子力発電所の廃炉に比...

このブログを検索

Google News - Top Stories

ブログ アーカイブ