2017年12月1日金曜日

地方消費税改革 自治体間の公平性向上が鍵だ

 東京など大都市に集中する消費税収の偏りを、どう是正すべきか。「地方消費税」制度の意義に立ち返り、公平な配分方法を整えたい。

 政府・与党は、消費税収のうち都道府県に回る地方消費税の配分見直しを検討している。東京都などの取り分を減らし、他の地域に手厚くするという。

 12月中旬の2018年度与党税制改正大綱に盛り込む。

 消費税率8%のうち、地方消費税は1・7%分を占める。17年度は4兆6000億円を見込む。

 半分が都道府県、残り半分が市町村の収入となる。各自治体の主要な財源の一つである。

 県境をまたぐ消費行動の推計方法により、自治体への配分額は大きく変わる。見直しは、より実態を反映したものにしてほしい。

 地方消費税は、モノ・サービスの最終的な消費があった自治体に振り向けるのが原則だ。

 東京で買った品を隣県の自宅で消費する場合、自宅のある自治体が税収を得るべきだと言える。

 現行の推計方法は、地方消費税収全体の75%を、都道府県ごとのモノ・サービス販売額に比例させて配分する。域外からの買い物客の流入が多い東京などに有利な仕組みだとされる。

 政府・与党は、販売額による配分を全体の50%程度に下げる一方、人口に応じた配分の割合を増やす方向で検討に入った。この場合、16年度に6300億円あった東京都への配分額は、1000億円以上減るとみられる。

 菅官房長官は「地方創生のための税源偏在の是正に積極的に取り組んでいく」と意欲を示す。小池百合子東京都知事は「都市部の狙い撃ちだ」と反発している。

 見直しにあたっては、幅広い納得を得られるよう、自治体間の公平性を高める視点が大切だ。

 そもそも大企業の本社や人口が集中する東京都などは、消費税に限らず、税収が突出している。

 多くの自治体にとっては、消費税収の配分増だけで、抜本的な財政の好転は望めない。都市部に増して進む高齢化や、人口減といった難題にも直面する。

 地方の振興を図るには、自治体の税収不足を補う地方交付税や、地方税のあり方を総合的に検討することが重要である。

 地方独自の税源を充実させる。あらゆる自治体が、無駄な事業を厳しく排する歳出改革に注力する。課題は多岐にわたる。

 国と自治体は連携し、次代の制度構築を急がねばなるまい。

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