2017年12月3日日曜日

OPEC減産 脱石油の産業構造改革を急げ

 石油依存の不安定な経済構造からどう脱却するか。産油国は、産業を多角化する改革を着実に進め、世界経済の安定に貢献してもらいたい。

 石油輸出国機構(OPEC)と、ロシアなど非加盟の主要産油国が、原油の協調減産を来年末まで延長することで合意した。

 今年1月の開始から、当初予定の半年間を大幅に超え、丸2年という異例の長期間に至る。

 原油相場は2014年半ばまで1バレル=100ドル前後の高値で推移した後、急落に転じた。昨年には一時20ドル台まで値下がりした。

 オイルマネーが金融市場から姿を消した結果、世界で深刻な株安や投資の減退を引き起こした。

 日本は石油の輸入国だが、価格安定のための協調減産には一定の評価を与えるべきだろう。

 直近の相場は60ドル圏に持ち直していた。それでも減産の継続で一致した背景には、サウジアラビアなど主要産油国に共通する深刻な財政悪化の現状がある。

 原油高の時期に公共サービスを大幅に無料化するなど、放漫財政を広げたツケが回っている。

 どの産油国も、石油依存と財政難の構図は大同小異だ。協調減産の延長を無駄にせず、新産業の育成や財政再建に向け、最大限有効に活用せねばならない。

 サウジは来年、「虎の子」の国営石油会社サウジアラムコの株式を上場させる計画だ。減産が相場を下支えする間に高値で売り出し、脱石油の構造改革を進める貴重な原資とする狙いがある。

 協調減産が解ければ、相場は再急落するとの見方が根強い。

 米国が夏にハリケーンの影響で生産を一時的に落とした。サウジでは政情不安が高まった。最近の原油高には、こうした特殊事情が絡んでいるとみられるからだ。

 採掘費用のかさむ米国のシェールオイルは、油価が上がれば、生産が増えて相場を押し下げる。

 OPEC非加盟国を代表するロシアでは、減産への同調の長期化に不満も募っているという。

 中東産油国などが産業の構造改革を進めれば、石油生産を調整するための余力が増す。原油市場と、株式など国際金融市場の両面で、安定に資するとも言えよう。

 日本には、中東諸国への技術協力や直接投資で、積極的に改革を支援することが期待される。

 河野外相は今月、中東を歴訪する。安倍首相による首脳外交も含め、日本と中東の新たな経済関係の構築に向けて、取り組みを強めることが求められる。

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