2017年12月5日火曜日

月探査参加へ 日本の宇宙技術を磨く好機だ

 日本人宇宙飛行士が月面に降り立つ足がかりとなるのだろうか。

 米国が計画している月上空の宇宙基地建設構想に、日本も参加を目指すことになった。政府の宇宙政策委員会が、宇宙基本計画の工程表改訂案に方針を盛り込んだ。

 日本人宇宙飛行士による月探査も念頭に、「国際協力による月への着陸探査活動の具体化を図る」との取り組みも明記した。

 可能性に満ちた改訂案だ。宇宙開発に挑む次世代の育成につながる。宇宙先進国の現状を間近に学べるだけに、日本の基礎技術力を高める好機となろう。

 宇宙基地構想で日本が実現すべき分野として、政府は、基地内の空気・水の浄化や月面での掘削技術などを挙げている。

 有人宇宙船の開発などは、実現間近の米国に任せて、構想に不可欠な部分を担う。日本の存在感をアピールする狙いがある。

 宇宙技術を高度化できれば、人工衛星製造やロケットの打ち上げ受注で信頼性が向上して、国際競争力が強まる。素材の開発や遠隔制御技術など、幅広い裾野産業の活性化にも貢献しよう。

 日本の宇宙関連予算は年3000億円前後だ。厳しい財政下で月を目指すには、国際協力による効率的な開発が現実的である。

 構想参加にあたっては、民間の開発力が欠かせない。米国では、政府主導の開発が減っている。ロケットのコストは大幅に下がり、来年には、2社が新たな有人宇宙船の運用を始める。日本も、政府丸抱えの体制を見直す時期だ。

 安全保障の観点からも、月探査での国際協調の意義は大きい。

 ロシアは、2024年までの運用が決まっている国際宇宙ステーション(ISS)に続く基幹プロジェクトとして、月探査を目指している。米露は既に、連携することで合意している。

 トランプ米大統領は先月来日した際、安倍首相と宇宙探査での協力強化で一致した。日米露などが参画するISSに次ぐ国際プロジェクトでも、日本の役割に期待していることの表れだ。

 月探査には、中国やインドなどの新興国も高い関心を寄せ、探査機を送り込んでいる。大きな成果を上げるためには、ISSよりも幅広い国際協力の枠組みを構築することが重要になる。

 日本がホスト国となって、東京で来春、約60か国が参加する国際宇宙探査フォーラムが開催される。国際連携の調整役として、政府の手腕が問われよう。

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