2017年12月6日水曜日

英とEUは通商協議入り急げ

 英国の欧州連合(EU)離脱条件をめぐり難航が続く交渉に打開の動きが出てきた。英国が離脱時に支払う「清算金」などで譲歩の姿勢を示し、EU側も前向きに受け止めているようだ。

 今月中旬のEU首脳会議で合意に達すれば、英国はEU側と離脱後の通商関係など次の段階の協議を始めることができる。

 交渉に費やせる時間は限られており、これ以上の遅れは問題が多い。離脱を混乱なく実現し、世界経済や企業経営などへの悪影響を抑えるためにも、交渉を前に進める政治決断が必要だ。

 英とEUは交渉の第1段階として6月から、清算金、相互に居住する市民の権利保障、アイルランドと英領北アイルランドの国境管理の3分野を優先協議している。EU側は十分に進展したと認めず、通商関係など第2段階の協議に入ることを拒んできた。

 英国は清算金の額を積み増し、EU側の要求に大きく近づけたもようだ。予定通り2019年春にEUを離脱するには、18年秋ごろまでに離脱条件を固める必要があるとされる。交渉の時間切れを避けるためには譲歩もやむなしと判断したとみられる。

 第2段階の通商関係などをめぐる協議はさらに難航する可能性がある。英側はできるだけ自由度の高い貿易協定を結んでEU市場との関係を維持したい。一方、EU側は、英国が欧州大陸からの移民を規制するのに伴い、EU市場への参入も制限する考えだ。

 英国が離脱後にEUとどんな関係を結ぶかは、英国の将来を左右するだけでなく、欧州で事業展開する企業などに大きな影響を及ぼす。すみやかにEU側と関連の協議を開始し、輪郭をなるべく早く世界に示してもらいたい。

 メイ英首相は政権基盤に不安があり、国内では離脱の方針をめぐる対立が続いている。ようやく前に動き出したこの機会をいかして、交渉を加速するよう求めたい。EU側の柔軟で現実的な姿勢も欠かせない。

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