2017年12月6日水曜日

相次ぐ北朝鮮木造船の漂着 無謀な漁に追い込む非道

 北朝鮮からとみられる木造船の漂着や漂流が日本海沿岸で急増している。海上保安庁の統計では、先月は単月として過去最多の28件が確認された。

 北朝鮮をめぐる情勢が緊迫の度合いを強める中での出来事だ。周辺自治体や住民は不気味に感じている。

 能登半島沖に広がる日本海有数の漁場「大和堆(たい)」では昨年から、北朝鮮や中国から来たとみられる漁船の違法操業が多発している。

 漂着した木造船もそうした船であろう。全長10メートル程度の船ばかりで、海岸に漂着した時には枠組みしか残っていないような船が少なくない。

 冬の日本海は大陸から北西風が強く吹いており、波が高い。小型船での航行が難しい季節になっても無理に操業を続けた末、風に押し流されてきたようだ。

 無謀な漁の背景にあるのは何か。

 北朝鮮は沿岸部の漁業権を中国に売却してしまったため、自国漁船が外洋に出ざるをえないとされる。それにもかかわらず金正恩(キムジョンウン)政権は、自給可能なたんぱく源だとして冬場にも漁業に力を入れるよう号令をかけている。

 核開発に対する国連制裁の影響も無視できない。

 石油製品の輸入に支障が出るようになり、粗悪な燃料を使って故障を招いた可能性が指摘される。中国に輸出できなくなった海産物が国内に回って価格下落を引き起こし、漁民を苦しめてもいるようだ。

 どちらにしても、根本的な原因は核・ミサイル開発に起因する北朝鮮の国際的孤立にある。

 金政権は核開発とともに国民生活の向上を主要政策に掲げる。だが実際には、国力を核・ミサイル開発に集中させる政策が国民生活を苦しくし、こうした無謀な漁に追い込んでいるのである。

 木造船が接岸した北海道の無人島、松前小島では小屋にあった家電製品などがなくなっていた。こうした違法行為は厳重に取り締まらなければいけない。

 遭難した漁船は人道的見地から当然に救助する必要がある。ただし、日本海では過去に北朝鮮の工作船が頻繁に出没してきた。不測の事態が起きないよう水際の警備には万全を期してもらいたい。

時事問題

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